万能クッカーとして定番のメスティン。
ぶっちゃけそれメスティンでなくてもいいだろ!っていうレシピもありますけど、あのお弁当箱みたいなフォルムがかわいいし、なんでもこれひとつでできちゃうかも!?っていうロマンが詰まってますよね。
最近のキャンプブームで注目されていますが、実は1970年代から存在してるんです。時代を超えて、キャンプ初心者からベテラン勢までたくさんの方々に愛されてるんですね。
長い歴史があるクッカーですので、この記事も時々情報を追記しながら更新を繰り返しています。目次からお好きな項目へジャンプできますので、ぜひ目をとおしてみてください。
※現在メスティンはさまざまなメーカーから発売されていますが、この記事中で特に記載が無い場合はトランギアのメスティンを指します。
バリ取りとシーズニングは不要?
使用するにあたってバリ取りと、シーズニングなんかが紹介されていたりしますが、必須ではありません。いくら大切に扱っても屋外で使う物なのでいずれ汚れ、へこみ、傷がついたりしていくものですし、それもまた味になりますからね。
バリ取り
「1000番のサンドペーパーでこする」という情報も見かけたことがありますが、正直#1000は、やりすぎです。バリを取るなら家にある爪切りに付いてるヤスリでこすれば大丈夫です。
個体差もあると思いますが僕のにはバリは全くありませんでした。
シーズニング
シーズニングとは米のとぎ汁を入れて15分くらい煮込むことで、皮膜を作ってこげ付きにくくする効果があります。
効果があるかないかは別として、買った時の楽しみではありますので、僕は最初の1回は儀式として行いました。
使い始めに手間を掛けると道具に愛着が湧いて、その結果大事に使っていこうという気持ちも芽生えますからね。
こういうノリでいいと思います。
こげ付き防止策 テフロン加工とメスティン折り
テフロン加工
本格的なこげ付き防止が必要であれば、自分で加工できる技術者である場合を除いて、最初からテフロン加工されているものを購入した方が良いです。
快速旅團でNS角飯盒というテフロン加工済のメスティンを販売しています。
※リンク先の商品はトランギアのメスティンではなくMiliCampのメスティンを加工したものです。両方メスティンだと紛らわしいので、MiliCampの方は角飯盒と呼んでいるそうです。
メスティン折り
炊飯や調理のとき、中にクッキングペーパーを敷けばこげ付きや汚れを防げます。必要な分だけひっぱり出してカットして使うやつです。
ですが、適当に入れるとすき間が出来たり、うまく食材が収まらなかったりします。クッキングペーパーをメスティンサイズぴったりの箱型に折ってしまえばそんな心配も無く、持ち運びも便利です。
名付けてメスティン折り。考案されたのは建築設計事務所を営むの冨岡さまという方で、建築士らしくCADで作成されたメスティン折りの図面を掲載されています。
自動炊飯の水の量と時間は?
様々な調理ができますが基本はやはり、お米を炊く事ですね。お米は1合~1.8合まで炊飯可能です。
固形燃料を使用する場合は燃料の上に直接メスティンを置けませんので、五徳という支持具が必要になります。エスビットのポケットストーブが定番です。
米1合の炊飯ですが、火加減は一般的な固形燃料25g(燃焼時間約20分)1個で丁度良い時間になります。
炊飯に最適な水の量は米の1.2倍と言われています。米1合は180mlですので水量は計算上216ml。計量カップを使ってきっちり測ってもいいですが、水加減の目安はメスティンの内側に2つ並んだ丸い取手リベットの真ん中くらいです。
まずは目安に合わせて炊飯し、2回目以降好みに合わせて加減を調整していけば良いと思います。炊飯手順は下記のとおりでとっても簡単です。
1合が炊き上がると茶碗2杯強ですからソロ〜2人までならこれで十分ですが、グループやファミリーの場合は3.5合まで炊飯可能なラージメスティンを使用するか、メスティンに拘らず別のクッカーを使用しましょう。
ガスコンロでの火加減と時間は?
僕がメスティンで炊飯する時は、主にSOTOのレギュレーターストーブST-310を熱源として使用してます。
ずっと弱火で12分で炊けます。(※下の写真の火加減参照)
目安としては、沸騰すると蓋のすき間から湯気が大きく出たり吹きこぼれたりしてきます。ここまで6分くらい。その6分後にはぼこぼこという煮沸音がチリチリという水気が飛んだ様な音になりますので、そしたら火を止めて固形燃料の時と同じ手順で蒸らしましょう。
慣れないうちは蓋を開けて中を覗いてみてもいいでしょう。その場合、メスティンは蓋と本体が結構ピッタリのサイズで、特に調理中は高温で開け閉めしづらいので、軍手を装備してしっかり取手を押さえながら火傷しない様に慎重に蓋を開けてくださいね。
おいしいご飯を炊くコツ
自動炊飯のメリットは着火しさえすれば、あとは放っておいても文字通り自動でお米が炊き上がる事ですが、屋外は風の影響を受けやすく放っておいたら火が消えていたなんて事もあるので、風防は必須です。
電子レンジやIHヒーターでは使えない?
メスティンは保存容器としても使い勝手が良いです。アルミ製の容器は良く冷えますし、作ったおかずをメスティンごとそのまま冷蔵庫に入れておいて、食べるときは直接過熱する事もできますからね。
調理や再加熱の際、ガスコンロがあれば問題ありませんが、メスティンに限らずアルミ製のクッカーは全て電子レンジでの使用厳禁です。オーブンならOKなので、グラタン一人前なんかちょうどいいですね。
IHヒーターもNGですが、アルミ製の調理器具も使用可能なオールメタル対応のIHヒーターであれば使用できるかも知れませんがが、その注意書きにには“重さが1kg未満の鍋は、調理物と併せて1kg以上で使用する必要がある”との記述がありました。
例えば炊飯の場合、メスティンの重量が150g、お米1合150g、水200cc=200gですので全てを合計しても500gにしかならず条件を満たす事ができませんので、作るものによって制限がありそうです。
こうした場合はラジエントヒーターを使用しましょう。キッチンに備え付けのIHヒーターは大体は3つ口だと思います。そして中央奥がラジエントヒーターである場合が多いです。
ラジエントヒーターは、トッププレートの下に巻かれてあるニクロム線で過熱しますので、調理器具の材質に関係なく使用可能です。もちろんメスティンも。
しかし熱効率が悪かったり過熱面が焦げ付き易かったりしますので、他に選択肢がある場合は使用を避けた方が無難です。
いまならMinicampのが良さげ!
本家トランギアのメスティンは慢性的に品薄状態が続いており、この記事の執筆時点で日本での輸入代理店を務めているイワタニプリムス社の通販サイトでも品切れになっています。
純正品の定価は1,600円ですが、現在は価格が高騰しており2~3倍くらしますので躊躇なく類似品を探しましょう。
最近はホームセンターで販売している物でもかなり品質が良いですが、オススメはMiliCamp社製のメスティンです。
本体形状及びサイズは本家と誤差の範囲程度しか変わらず、近くでじっくり観察しなければ違いは見て取れません。
トランギア(TR-210) | MiliCamp(MR-250) | |
外形寸法 | 17×9.5×6.2cm | 16.5×9.5×6.5cm |
容量 | 750ml | 800ml |
重量 | 150g | 165g |
しかもトランギアには無い後発商品のメリットとして本体に目盛りが付いていて計量が出来るモデルもありますし、バリ取り済みですぐ使えます。
容量はトランギアのメスティンより50ml多い800mlで2合炊きまで可能とのことで1.8合炊きのトランギアと違ってぴったり計量できることも利点です。
メスティン単品の他、収納袋、蒸し物に使えるバット、ハンドルカバーが付いた4点セットも選べます。
単品/セットの選択肢がある販売ページへは、商品リンクからどうぞ。
コメントでご指摘いただいたとおり、通常サイズ、ラージサイズ共に下記2種のモデルが併売されています。
価格差も考慮しながら、お好みに応じて選んでくださいね。(※リンク先の商品は通常サイズです。)
①プレスライン(上蓋直下の溝)無し、目盛り無しのモデル。
②プレスライン有り、目盛り付きのモデルです。
トランギア以外は偽物じゃないの?
現在アウトドア市場では類似品や悪質なコピー品も溢れていますが、そもそも「メスティン」は英語で飯盒という意味でトランギアの商標登録ではありません。
トランギアのメスティンは1970年代に開発された物であり、当時意匠登録されていたとしても期限が切れていますので類似品を製造販売する事に法的な問題はありませんので安心してお買い求めください。
価格も適正価格、というより本家より安い!
いってしまえば正直どちらも、ただの長方形のアルミ製クッカーですので、どうしても本家が欲しいという強いこだわりが無ければ本家の上位互換とも言うべくMiliCamp社製がお勧めです。
メスティンで簡単ひとり飯
悪天候が続いて自宅でキャンプ気分を味わいたい時、夜小腹が空いてささっと何か作って食べたい時なんかはメスティンの出番です。
炊く、煮る、蒸す、炒める、燻す。万能クッカーをフル活用するためのレシピ本も出ています。
こちらを参考に、アウトドアはもちろん、ご自宅でもメスティンレシピを楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
コメント
MiliCampのメスティンには新しいのがあります
MR-250 ここで紹介されているもの
MR-250 PRO 本体上部にトランギア同様のリブ加工あり&アルマイト処理
ラージサイズのMR750も同様にMR-750 PROがあります。
Hiroさんコメントありがとうございます。ブログ運営者のKです。
僕の認識が間違っていて、「目盛りが付いている物」として旧モデルを商品リンクで張ってしまっていましたね。
幸いこのリンクから商品を購入された方は「まだ」おりませんので、ミスリードしてしまう前に記事内容を修正できてよかったです。
今後ともよろしくお願い致します。