お久しぶりですScarabですみなさんこんばんは。
突然ですが、みなさんハンモックは持っていますか?
ハンモック泊ってなんだか玄人っぽくてかっこいいだけじゃなく、実際こんなメリットがあったりします。
もちろんテントでも軽量コンパクトで設営が楽なものはたくさんありますが、軽さにこだわれば必然的に本体も小さくなり、こじんまりとしてしまいがちです。
その点ハンモックは、室内空間こそそれほど広くは無いものの、上半分が空いているので、「狭くて壁や天井に押しつぶされそう!」といった圧迫感がなく、開放感は抜群です。
高いポジションから自然豊かな景色を思う存分楽しめますし、晴れの日なら星空を見ながら眠りにつくことだってできます。
改めて書き出してみるとハンモック泊は良いことづくしで、単に「楽ちん快適」というだけじゃなく、「自然と一体化する」というキャンプの醍醐味を余す所なく味わえそうです。
僕もキャンプを始めた頃から興味はあったんですが、実際に買ったのはついこの間です。
ハンモックの購入を躊躇してしまう原因として、こんな理由をよく聞きます。
よく行くキャンプ場に木がないから、買っても使用頻度が低そう…。
「長時間寝ていられない」っていうレビューもあるし、揺れて気持ち悪くなったり
、かえって寝心地が悪くなるんじゃないか?って不安。
テントなら規格外にデカいものでもない限り、「このテントはキャンプ場で張れるかな?」といった心配は無用です。
しかし、ハンモックの場合、設営に適した木がないといけませんし、あったとしても限られた場所が先客で埋まっている可能性もあります。
僕も、「買っても使用頻度が少ないのでは?」という懸念から購入を避けてきました。
また、寝心地の感じ方は個人差があると思いますが、やっぱりぶつけ本番は怖くて、ある程度試してから実践投入したいもの。
そこで僕は、部屋にハンモックを吊るして実用性を検証してみることにしました。
多少寝心地に難があっても部屋で映画でも観ながらごろ寝する分には十分でしょうし、外で使えなくても部屋で普段使いできれば、無駄にならずに済みますからね。
先に僕の部屋の完成図を見せちゃいます。
と、こんな感じで割と快適に使えてます。
今日はハンモック室内吊り下げDIYがテーマ。この記事にはこんな事が書いてあります。
- ハンモックを室内に吊り下げる際の注意点。
- 設置した部屋の間取りやレイアウトは?
- ハンモック吊り下げの方法や使用した金具は?
- 使用上危険は無いのか?
- どんなハンモックを使っているのか?
尚、自分なりに安全性を考慮してはいますが、僕は建築設計のプロではありません。一個人の趣味として自己責任で設置しています。
※吊り下げの強度や安全性については保証できません。本記事内容を参考とされる方は、くれぐれも怪我や事故に対する配慮を怠らず、自己責任で行ってください。
ハンモックを室内に吊り下げるには?
「室内に吊り下げ」といっても個々人の住環境が違いますので、一概に「こうすれば良い」とは言えません。
建物が木造かコンクリート造か?取り付ける部屋の広さはどれくらいか?柱や梁は露出しているか、それとも壁材や天井材で覆われているか?天井につけるのか壁につけるのか?
などなどチェックすべき項目は多岐にわたりますが、特に注意すべきは下記の項目です。
次の項からは、僕自身の経験から自分の場合を例にとって書きますが、より汎用性のある事例をプロ目線で書いてあるサイトがありましたので、先にご紹介しておきます。
一級建築士のタメゴローさんという方のサイトで、ハンモックを室内に設置する際の注意点が詳しく書かれています。
特に木造の方は参考になる部分が多いと思います。
吊り下げレイアウトを考える
部屋の間取りとハンモック吊り下げ幅
まず、僕の住環境はこうです。
- 持ち家。
- RC(鉄筋コンクリート)造の集合住宅。
- 軽量壁天井下地。
- 壁、天井は石膏ボードクロス張り。
そして部屋の間取りと、ハンモック吊り下げのレイアウト図はこんな感じです。
以前、部屋の右奥にVODが観れるPCモニターを壁掛けDIYしましたが、上にありすぎて見づらくてほとんど使っていませんでした。
ハンモックに横たわれば視聴にちょうどいい角度になるので、「横になってリラックスしながらこのモニターで動画や音楽を楽しむ」という前提でレイアウトしました。
吊り下げ金具を取り付けようと思っている2点間の距離は3,650mm。モニター写真にある点検口とハンモックの吊下部は、今回DIYしたものです。
吊り下げの方法
もちろん吊り下げ用の金具はどこにつけてもいいというわけではありません。
僕の部屋の壁は石膏ボード、下地は軽量鉄骨です。これらに金具を直付けしてハンモックをぶら下げて乗るのは強度的にNGです。
一般的であるこのタイプの壁面の強度は、TVの壁掛けができる程度です。
下地(上図でいえば間柱)が入っているところを利用しても、ハンモックを支えられるほどの強度はありませんので、取り付けは危険です。
天井も似たような構造で、天井下地に金具をつけてぶら下がったら、天井が剥がれ落ちてしまいます。
というわけで、僕の部屋の場合は建物の構造躯体(コンクリートスラブ)に吊り下げるしか手はなさそうです。
建物の断面図を使って解説すると以下のとおりです。僕の部屋の天井と、上階の床がどういう構造になっているかが、なんとなくお分かりいただけると思います。
もともと天井を吊っているインサートと吊ボルトを流用しつつ、それに上図の赤枠で囲った部分を追加してハンモックを吊ることにしました。
上下階の間にあるコンクリートスラブは、僕の部屋の天井を吊り下げている部分であり、同時に上階の床を支える部分でもある「構造躯体」なので、人が1人ぶら下がったところでびくともしません。
吊り下げ用金具の取り付け
とはいえ、このコンクリートスラブは露出しておらず、天井はボードで完全に隠蔽されているので、どの位置に吊りボルトがあるのか全く分かりません。
そこで、天井裏の構造を確認するために、まず部屋の右奥のモニターの上と、その対角線上の2箇所に点検口を取り付けました。
点検口から覗くと天井裏は懐が浅くて10cm程度。天井裏にもぐったりするのは不可能ですが、幸いすぐ近くに天井を支える下地を吊っている吊ボルトが見えます。
この吊りボルトは「インサート」と呼ばれる雌ねじ金具にねじ込まれています。
コンクリートスラブを作る際、あらかじめ型枠にインサートを固定してから生コンを流し込むことによって、硬化してスラブが出来上がると同時に、ねじ込み金具の埋め込みも完了しているというわけです。
このインサートに吊りボルトを、そして吊ボルトの先に吊り金具を取り付けて、天井や配管などを吊り下げています。
今回は、吊ボルトの先に同サイズであるM10のアイナットを付けて、そのアイナットにハンモック用のベルトをくくりつけようと思っています。
吊り下げ金具の耐荷重は大丈夫か?
インサートはコンクリートスラブに埋まっているので、実物のメーカーや品番を確認できません。
仕方がないので、「僕のうちの様な建物には一般的にどんなものが使われているのか?」を調べて判断します。この辺が自己責任と言われる所以ですね。
吊り下げる物の重量によって、インサートにも種類がありますが、僕が見たカタログ中で最も強度が低かった天井吊り下げ用インサートでも、引き抜き強度は7.4kN(755kg)あります。
メーカー推奨のとおり、十分余裕を持ってカタログ値の1/5程度までの重量におさえて使用するにしても、755kg÷5=151kgの引き抜き強度があるという計算結果ですので、これを根拠に僕の体重75kgを支えるには十分と判断しました。
今現在吊り下げられている天井を下地や吊ボルトも含めて全て外し、空いたインサートにアイボルトを直接取付ければ確実ですが、さすがに1人でそんな大工事はやりたくありません。
ですので、さきほど点検口から覗いて確認できた使えそうな吊ボルトの位置を計測して、その直下に穴を開けて下から吊ボルトにアクセスできるようにしました。
穴がそのままだと不恰好なので、エアコンキャップを取り付けます。
もしハンモックが使い物にならなかったり、飽きて邪魔になっても、フタを付ければ穴を隠すことはできます。
天井下地を吊ったままでも、吊ボルトの長さに余裕があるので、ここにアイナットをねじ込んでハンモック吊り具にします。
アイナットのサイズはM10で、カタログ上の使用荷重は150kgfですので、こちらもインサート同様、僕の体重を支えるには十分です。
吊り下げ角度、動きによる負荷増大も考慮に入れる
先ほどの数値は、垂直方向に力が掛かった場合のものです。
しかし、ハンモックを吊り下げて僕が寝ると、真下ではなく斜め方向に荷重がかかる事になります。
最初の方でご紹介したタメゴローさんのサイトで、吊り下げ角度によって荷重が大きく変わってくる事も指摘されていて、90°では41%の荷重増、120°ではなんと!100%の荷重増になると言います。
この荷重計算を僕の環境に当てはめるとこんな感じです。
上図のとおり、吊り下げ角度が90°だと吊り下げ部1ヶ所あたりに掛かる荷重は約53kgとなります。
ハンモックは静止しておらず揺れ動きますので、これを考慮に入れて上記数値に安全係数として2を掛けてみます。
2倍の荷重が掛かっても、1ヶ所あたり53kg×2=106kg。
前述のとおり、インサート、M10のアイナットともに150kgの荷重に耐えられますので十分許容範囲内ですね。
今度はもっとシビアに、吊り下げ角度が120°=1ヶ所あたり荷重75kgだとして計算してみましょう。
ハンモックが揺れ動くことにより負荷が倍になるとして、吊り下げ部1ヶ所あたりに75kg×2倍の150kgの荷重が掛かったとしても、何とか許容範囲内に収まります。
こういった荷重計算に詳しい人からすれば笑っちゃう様な稚拙な内容かもしれませんが、これが自分で調べられる限界でした。
注意すべき点と安全対策
ちょっと気になるのは、天井用の吊ボルトをそのまま使って先にアイナットを付けているせいで、天井の荷重も掛かったままであるということと、吊り具自体が長くなってしまっていること。
もともとボルトは横荷重に弱いので、長さがあると更に危険度が増しているはずです。
本当は天井吊りボルトを外して、インサートに直接ハンモック用のアイボルトをつけた方が良いと思いますが、ちょっと億劫でしたので、とりあえずまめにボルトの状態をチェックしながら使用していきたいと思っています。
一応下記の様な安全対策を施してます。
尚、こういった対策をしても、ボルトが千切れて落ちれば天井は壊れますので、僕と同じやり方を試される方は、くれぐれもお気を付けください。
あと、子供が乗ってふざけて事故を起こさないように、使用後はこの様に収納しています。
冒頭にも書きましたが、僕はこのやり方を推奨しているわけではありません。
くどいようですが、どの様なやり方をするにせよ、DIYで設置される際は十分安全に配慮した上で、自己責任でお願いします。
Lenzaiのハンモックを室内吊り下げ
肝心のハンモックですが、今回は検証用ということで、比較的安価でAmazonレビューの評価も良いこれにしました。
ハンモック本体と収納袋が一体化したタイプで、中身を出すと収納袋だった部分が側面中央部に来て、小物を入れるポケットになります。
部屋もテント内も散らかし放題で、物を無くしがちな僕はこういうの助かります。
両端の吊り下げ部付近の内側にフックとゴム紐があって、ハンモックを展開するとこのゴム紐が引っ張られて蚊帳も同時に立ち上がるという仕様ですが、屋内限定の僕はもちろん使いません。
巻き取って本体側面にあるフックで固定すれば良いみたいですが、全く使わないので常時裏返して蚊帳を下側にして使っています。
室内設置の限界を感じた寝心地
先に結論を言いますと、2時間程度映画を観ながらくつろぐにはちょうどいい感じですが、一晩寝るのは無理です。
これは、このハンモックそのものがどうこうというより、吊り下げ位置に難があります。
僕の部屋の構造や間取りの都合で、吊り下げは天井からで、2点間の距離は3,650mmです。
商品本体の長さが2,900mmなので、室内に吊るすこと自体は可能です。
しかし、吊りポイントが高い位置(天井高と同じ床から2,400mmの位置)にあって、高さの割に2点間の距離が狭いせいか、ちょっと角度がきつくなり、寝ると思ったよりも腰が沈んで体がV字になってしまします。
ハンモックに対して体を斜めにしてできるだけフラットに寝てみようとしても、快適な体勢を取ろうとするとあとちょっと長さが足りませんし、布に挟み込まれる様になって、圧迫感を感じます。
もう1mくらい吊り下げ位置2点間の距離を広くできれば、屋外の木に設置するのと同じ感覚で寝れたんじゃないかと思います。
僕の部屋ではクローゼットがあってこのラインは無理ですし、逆の対角線もドアに干渉するので断念せざるを得ませんでした。
部屋に設置してみた感想
長々と書いてきたとおり、同じハンモック、同じ長さのベルトを使っても、それぞれの部屋の環境で吊れる位置が変わってきますので、その使用感は人それぞれになります。
実際自分の部屋に吊り下げてみて分かったことは、以下の3点です。
そこそこ快適ではありますが、吊り下げ位置が適切に取れないと、室内設置でベッドとして使うのは難しいでしょう。
とりあえずお気に入りのエアマットを敷くことで幅を広げてV字を緩和することによって、映画を観ながらくつろげる程度には快適になりました。
生地は薄いですがしっかりとしている上に肌触りがサラサラしていて気持ちいいので、もう少しフラットに設置できれば気持ち良く寝れそうですが、これが室内設置の限界というやつですかね。
あとがき
とりあえずマットのおかげもあり、映画を観ながらゆっくり過ごすという目的は十分に達成できそうです。
ん?マットで快適になるなら、この座椅子で十分ではないのか?と思ったりしてしまったことは内緒です。
でもまぁ、ハンモックならではの浮遊感が病みつきになってきているというのもまた事実で、ちゃんと吊ればそこそこ快適そうで実用性は十分ありそうだということが分かったので、今度屋外でその真の実力を試してみます。
そして僕より子供が乗りたがります。
体重が軽い分、沈み込みが少ないのでベッドとしても十分機能しているように見えます。
キャッキャとはしゃいでいる子供の笑顔を見れただけでも満足です。
今後も子供の笑顔と自己満足のため、安全性に気をつけながら少しずつ手を加え、快適で楽しい部屋作りをしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
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