意識しないようにしていても、ゼインアーツのオキトマ2がやっぱり気になるKですみなさんこんばんは。
7月9日のゼインアーツ公式のNEWSで、発売日は7月16日(金)であるとアナウンスされました!
当選された方のレビュー記事を心待ちにしております!
※2021年4月21日、YAMAP STOREさんからいただいた発売日に関する情報を、下記リンクからご覧いただけます。発売日情報のみ欲しい方はそちらへどうぞ。↓(※6月22日更新)
突然ですが、映画とか漫画とか歌とか、娯楽として定着して久しい文化ってあるじゃないですか。
さんざんやりつくされて、もう全てのアイデアが出尽くしたんじゃないか?と思っていても毎年新作が出続けて、その中で画期的なアイデアを持つものだけがヒットして、新しいトレンドを作りますよね?
ちょっと回りくどい言い方をしましたけど、アウトドア業界にとってのゼインアーツって、まさにそんな立ち位置ですよね。
よくまぁこんなにも人を惹きつける斬新なアイデア、デザインの商品を連発できるものだと感心します。
きっと、同じものを見てても感じるものが一般人のそれとは全く違うんだろうなと。
そんな鋭敏な感性を持ちたいものだ、と思いこがれる凡人が書いているオキトマ2の記事を、どうぞご覧ください。
オキトマ2はこんなテント
地べたスタイルキャンパー向け、トンネル型パップテント!?
かつてポップアップシェルターテントを購入してこんな風に設営してました。
ローコットの上に置いてパップテント風です。ポップアップであるとか小さいとかはひとまず置いといて、とりあえずパップテントだと考えてください。
そして、ファミリーキャンプの時はこれを使っています。
サバティカルのギリアは利用人数によってさまざまな形態で設営できる、トンネル型テントの理想形です。
もちろんこの2種は全くの別物であって、そもそも融合させるという発想自体持ち合わせていないのですが、これをゼインアーツがアレンジするとこうなります。
トンネル型を縦方向に分割するという全く新しい発想のテント。それがゼインアーツの新作「オキトマ2」です。
ゼインアーツのソロ、もしくはデュオ向け商品は今のところ「ギギ」だけですが、あちらはインナーテントが後発で、そもそもシェルターとして発売されました。
その特性から室内空間が広く、最大幅500cm×奥行き400cm×高さ220cmと設置面積も大きくなります。
スモールサイズシェルターとは言いながらも十分に広く、少人数でも大空間で快適に過ごしたいユーザーには強い訴求力があり、事実大ヒットしています。
しかし裏を返せば、よりコンパクトで、より地べたに近いスタイルを好むキャンパーの受け皿となる商品がゼインアーツには無かったというわけです。
昨今のソロキャンプブームというトレンドも視野に入れた上で、自社ラインナップの隙間を埋めて、より多くのユーザーに訴求力のある商品を市場に投入してくるゼインアーツの巧みな戦略が伺えます。
オキトマ2という名前の意味は?
登山用語で「双耳峰」という言葉があり、これは「二つの頂上を持つ山」のことなのだそうです。
かつて「ツインピークス」という海外ドラマが流行りましたが、そういう意味だったんですね。あちらは架空の町の名前でしたが。
この二つのピークをピンと立った動物の耳に例えてそう呼ぶらしく、オキトマ2にも確かに二つの耳がありますね。
群馬・新潟の県境にあり、日本百名山のひとつに数えられる谷川岳の2つのピークはそれぞれ「オキの耳」、「トマの耳」と呼ばれているそうで、「オキトマ2」という名はテント上部の左右にある出っぱった形状を、谷川岳の2つのピークに例えて付けられたものです。
登山家でもあるゼインアーツ小杉代表らしいネーミングセンスですね。
僕は調べなければ意味が分かりませんでしたが、山岳愛好家が見れば「なるほどな。」とニヤッとしてしまうんでしょうね。
また、同社のテントに「ロガ4」という 2ルームテントがあり4人用ですので、この例にならえばオキトマ2の「2」は 2人用という意味になります。
各部の特徴と基本スペック
オキトマ2の各部の寸法、重量は下図のとおりです。
ミニマルとはいえ、トンネルテントのような形状ですからソロ〜デュオで過ごすのに十分な広さは確保できています。
それでいて重量7.2kg、収納寸法65×25×25cmにおさえてきたところはさすがですよね。
そして、基本スペックは以下のとおりです。
本体×1 |
50Dシリコーンポリエステルリップストップ・PU加工(耐水圧1,500mm) |
インナーテント×1 |
ウォール:20Dポリエステルリップストップ/ボトム:70Dナイロンタフタ・PU加工(耐水圧1,500mm) |
フットプリント×1 |
75Dポリエステルタフタ・PU加工(耐水圧1,500mm) |
フレーム長×2/ブリッジフレーム×2 |
A7001・φ11mm |
フレーム短×2 |
A7001・φ9.5mm |
Vペグ×20 |
ジュラルミン・17cm |
2.5mロープ×12 / 1.5mロープ×4 |
ダイニーマ・リフレクター仕様・φ2mm |
リペアパイプ×1 |
A7001 |
キャリーバッグ/ポールケース/ペグ・ロープケース×各1 |
150Dポリエステルオックス |
耐水圧が1,500mmと低くおさえられているのは前回記事にしたゼクーと同じ理由です。
耐水圧加工時の熱による生地劣化を抑えるために、あえてこの数値に留めているんですね。技術的な仕様に関するより詳細な記述は、公式サイトにてご確認ください。
完全自立式でシェルターとしても利用可能
左右に伸びる長いフレーム、前後方向の短いフレーム、それから両端のベンチレーター部分を立ち上げるブリッジフレームを各2本ずつ使って自立する構造です。
地面にペグが打ちにくい状況でも、石などをウエイトとして利用することで設営が楽に行えます。こんなところにもキャンプ特化というコンセプトが伺えますね。
そのままシェルターとしても使用可能です。その場合は両端にコットを縦に入れ、中央部にテーブルとイスを配置してもゆっくりな広さです。
前室は、旅館のあの謎スペースみたいな安心感
トンネル型を縦方向に分割したことによって、奥が寝室で手前がリビングになります。
付属品の2人用インナーテントは両サイドにメッシュ窓があって、それらがテント本体左右にあるベンチレーター向きで付いているので風通しが良くて夏は涼しそう。
吊り下げ式なので、雨が降っても濡らさずに設営・撤収ができるのが便利です。ボトムのコーナーは全てフック式でペグダウン不要とのこと。
これは地味にありがたいですね。初めはシェルターとして使って後からインナーを吊る場合、ペグやハンマーは既に片付けてるし、足で踏むにしても奥の方は狭くてやりづらい、など不便することもありますからね。
また、フットプリントも付属している様です。このテント自体、左右対称にデザインされているので前室に敷いてお座敷スタイルとしても活用できます。
縦分割したことによって生まれたこの細長い前室空間ですが、旅館の和室の窓際にある、あの謎の空間に雰囲気が近いような気がしませんか?
「広縁」と言うそうで、調べてたら結構このスペースが好きだという方が多いですね。空間が適度に狭くて安心感があり、かつ外には絶景が広がっているというコントラストが良いのでしょうか?
オキトマ2の前室も適度に狭く、外には大自然が広がってますので、ここはもう「広縁」と呼ぶべきでしょう。
このスペースの存在だけでオキトマ2が欲しくなります。ゼインアーツさんには是非、ここに置くテーブルとイス、それからあのスペースに必ずある冷蔵庫と鏡も付けた「広縁セット」をオプションで出してもらいたいです。
冗談ですが、なぜかDODさんならやってくれそうな気がするのは僕だけでしょうか?
この広縁、いや前室は、入口キャノピーを立てれば延長して使うことができます。ちなみに跳ね上げに使用するポールは120cmがベストとのことです。
ギリアと迷う?答えは買える方を即買うこと!
買える方を即買いすること!
最初に僕の持論を言っておきます。
多くのキャンパーさんが納得されると思いますが、正直キャンプにハマると、テントは一つでは済まなくなっちゃいます。
ギリアは様々なシチュエーションに対応できますが、「これひとつあればもう何もいらない!」ということには残念ながらなりません。
恋愛に例えれば、皆さんも「この人と生涯一緒にいる!」なんて思った人が何人かいるはずで、テント選びもそれと同じです。
自分が成長したり、環境が変わるたびに考え方が変わったりするのは必然です。
恋愛なら一応結婚という形のゴールもありますが、テント選びはゴールが無いので、こじらせると大変な事になります。
僕は違う!と思っていても、1年後にクローゼットを開ければテントの山が崩れてきたりするものです。
テントは本当に不要になればメルカリで売れますし、それなりの物を買っておけばキャンプブームという事もあって割と高額で売れます。
それにゼインアーツやサバティカルのテントは人気過ぎて、正直簡単には入手できません。
この2つで迷っているのであれば、どちらを買っても損をすることは絶対に無いので、買えるチャンスが来た方を迷わず即買いしてください。
一応それを踏まえたうえで比較表に移ります。
ギリアとオキトマ2の比較一覧表
オキトマ2はトンネル型をベースとしているので、その外観からサバティカルのギリアと比較される方も多いと思いますが、コンセプトが全く異なる商品です。
ギリアは万人受けするテント
ギリアは2つのインナーテントが付属していて、人数に応じてフレキシブルに使い方を選べるのが魅力です。
本体中央付近の最高部は170cmあり、174cmの僕は移動時もさほど窮屈さを感じません。
日本人成人男性の平均身長が172cmとのことで、ほとんどの方は僕と同じ感覚でしょう。
オキトマ2のようにパップテントみたいにはなりませんが、前後左右のパネルを全て巻き上げてフルオープンにしたり、左右には跳ね上げてタープのようにして横に広く展開もできます。
ソロから大人数まで汎用性が高く、とにかく出番の多いテントです。
しかも税込みで4万円台前半という破格値!これを買わない理由を探す方が難しいです。
あえてデメリットを挙げるとすれば、オキトマと比べたら重量が2倍近くあることくらいでしょうか。
ギリアの外観や仕様詳細に関してもっと知りたい方は、サバティカルの公式サイトにてご確認ください。
オキトマ2はコアでソリッドなキャンパー向け
オキトマ2はギリアと似ている様でいて、比較すれば空間も狭く低いです。
しかしこれは決してデメリットではありません。
先ほども書きましたが、そもそもソロ~デュオ用でギリアとはコンセプトが異なり、より地べたに近いスタイルで自然をダイレクトに楽しみたい方向けのテントです。
他メーカーのソロ用テントとは明らかに一線を画した設計思想で、ソロ用としては十分すぎる広さです。
約6万円という価格も適正と思います。ギリアの価格を見た後だとちょっと高く感じてしまいますが、前述の理由からそもそもギリアと比較するものではないのです。
そんなわけでオキトマ2は、小型テントにタープ泊、TC幕や大型シェルターと「色々試してきた人が一周回って買うソロ用テント」というのが僕のイメージです。
酸いも甘いも噛み分けた大人が選ぶ、ミニマルでカッコいいテントだな、と。
まぁ難しい事は置いといて、ぱっと見カッコいいと思うなら買うべきだと思います。形から入る事もまた大事ですからね。もちろん初心者でもチャンスがあったら即買いです。
何を選ぶにしても、先に買うか後で買うかというだけの問題だと思いますのでね。
いつどこで買えるのか?
前回記事にしたゼクーL同様、公式の表記が2021年6月発売予定になっておりますので、こちらも同日リリースになると思われます。(7月下旬に延期となりました。)
前回の内容とかぶりますが、こちらにも販売店情報を載せておきます。
YAMAP STORE
「ゼインアーツ専用フォーム」から登録した希望者に向けて、メールで販売情報を発信。
グリーンハウス
オンラインショップでの販売を告知。詳細は続報を待ってください。
ゼインアーツSHOP LIST
上記も含めた、ゼインアーツ取扱店一覧です。お近くの販売店を探してお問い合わせください。
また、当サイトでも新たな情報が入り次第、順次お伝えしていくつもりです。
あとがき
ゼインアーツ今年の新作テントは、「ゼクーL」と「オキトマ2」の2種類ですが、ゼクーの方は既存商品のサイズ違いになりますので、純粋な新作はオキトマ2のみになります。
今までのゼインアーツの商品開発コンセプトは、「いかに室内のデッドスペースを無くし、大空間を確保するか?」ということが主であったように思います。
コスパに優れたそれらの商品群は、より大衆に寄り添ったプライスのアウトドアリビングとも言うべくラインナップで、屋外でも快適な居住空間を求める多くの人々に支持されて一気にブランドの知名度を上げました。
そして今回満を持して、初めてキャンプに特化したテントを打ち出してきました。
かつて小杉代表はインタビューで、「自然を目で見て楽しむための道具は最小でよく、いかにお金をかけず、ミニマルにかっこよくアレンジするか」が重要であるとおっしゃっています。
オキトマ2は、まさにその提唱どおり、自然の中に入っていくキャンプそのものを楽しむべく開発された商品です。
登山家でもある小杉代表は、「いつか山岳用テントも作ってみたい」ともおっしゃっていましたので、今後より軽量コンパクトで斬新なアイデアの詰まったテントの登場にも期待が膨らみます。
しばらくは小杉代表率いるゼインアーツから目が離せませんね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
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