前回からのつづきです。
前回の記事で、2サイズ4種類で合計8パターンあるストームクッカーのスペックの違いや、どれを選べば良いかについて書きました。
代理店であるイワタニプリムスのサイトでもサイズや材質の違いは確認できますが、一覧にして比較できるような作りでなかったので、僕自身自分に合ったものを選択するのにちょっと苦労しました。
そんな経験を踏まえて、比較一覧表や、調理におけるサイズ感のわかる写真を交えてわかりやすく解説してますので、まだご覧になってない方は、そちらから読んでみてください。
キャンプを始めた当初からその存在は知っていたものの、なかなか購入に至らなかったストームクッカー。
理由はやっぱり高いからということに他なりません。
アウトドアで使う鍋やフライパンに、貴重な諭吉を送り出すことはできないという至極あたりまえな心情。アルミの小鍋ごときに1万円は当時の僕にはありえない数字でした。
テントにタープ、テーブルにチェアなどなど、必要最低限そろえなきゃいけないものが他にもたくさんありましたからね。そんなこんなで長い迷走期間に入り、その間クッカーばかりがいろいろと増えていきました。
今回は僕が「ストームクッカー ウルトラライトSサイズ」購入に至った経緯を追いながら、クッカー購入遍歴を紹介していきたいと思います。
小型アルミクッカーセットとメスティン
クッカーは家の鍋を持っていくという手もありますけど、当時はブッシュクラフト系の動画を見た影響で「軽くてちいさなもの」を集めることに執着していたこともあり、いちばん最初は近くのアウトドアショップで1,000円ちょいの小型アルミクッカーセットを購入しました。
EPIアルミクッカー3点セットだったと思います。先輩からもらったメスティンもありましたので、これで十分いけるだろうと。
ソロにはちょうど良いサイズで、結構使いたおしました。
今は家族や友人ともキャンプするようになってこれだと足りなくなってしまいましたが、必要最低限の内容で軽量コンパクトなクッカーで、米1合とちょっとしたおかずの調理にはちょうどいいです。
サイズは下表を参考にしてください。
サイズ | 重量 | |
---|---|---|
本体大 | H65×Φ118mm 640ml | 74g |
本体小 | H55×Φ107mm 490ml | 64g |
フタ | H21×Φ127mm 120ml | 28g |
登山やバックパックひとつでのキャンプ、バイクでのソロキャンプツーリングにはおすすめですよ。
ブッシュクラフトの焚き火フライパン
ブッシュクラフト動画の影響その弍。
アルミ製のクッカーだけじゃなく鉄のフライパンを焚き火に突っ込んで豪快に肉を焼いたり、朝食のベーコンエッグを作ったりしてみたい!という衝動に駆られて購入したのがこの焚き火フライパンでした。
薄い鉄製のフライパンの持ち手の部分を現地調達にすることで、ブッシュクラフトの要素をうまく取り入れつつ軽量化を図るという画期的なコンセプトの商品です。
素材を現地調達という、メタルギアのキャンベル大佐からしか聞いたことがないサバイバルパワーワードに飛びつかない理由がありませんでした。
元祖がムーリッカという北欧のブランドのキャンプファイアフライパンでそれのオマージュ作品という認識です。
焚き火という不安定な熱源と、フライパン自体の薄さや浅さに苦戦して初心者では扱いが難しく、加えて現地でわざわざ枝を探すというこの商品自体のセールスポイントに煩わしさを覚える結果となりまして。引退してはいないものの、今現在ではかなり実戦投入は少ないです。
今ならもうちょっと上手く使えると思いますが、もしかしたら僕にはブッシュクラフト向いてないんじゃないか?という気づきを与えてくれたアイテムとなりました。(たぶん正解)
また、今現在は選択肢も増えています。
フタが付いて、おまけに自作したハンドルを固定するための釘を2本同梱したバージョン2.0がこちら。
そして携行性を取る人にとっては利点でありつつも、調理器具としての実用性を考えると弱点であった「浅い」という点を改良したモデルもあります。
ロマンよりも使い勝手を取る人にとっては、良い選択肢になりますね。
LODGEのスキレット
焚き火フライパンの薄さと浅さに戸惑い、それならばと購入したのがこれでした。分厚い鉄製のフライパン、スキレットの直径6 1/2インチ(16.5cm)を蓋と一緒に購入。
5種類のサイズ展開があり、最大で直径12インチ(30.5cm)。厚みがあるからゆっくりと熱が通り冷めにくい。
ハンバーグにパエリア、ポッドローストなんかもいけるしベーコンエッグひとつだって絵になるフライパンですが、末永くベストコンディションを保つためには使用後のお手入れが重要です。
方法として、まずは馴染んだ油が抜けちゃうのを防ぐためになるべく洗剤を使用せずに、たわしでゴシゴシ水洗いします。その後火にかけて完全に乾燥させてから、まだ熱いうちにキッチンペーパーで油を馴染ませてシーズニングして保管、という段取りになります。
ちょっと重くてお手入れに一手間掛かりますが、ホイルで包んでじっくり火を通す系の調理をする際には重宝しています。
ファミレスのグリルプレートでもワクワクしちゃう「おこちゃま口」の僕に適したメニューが得意なクッカーなので、重いけど出番はそれなりに多くなります。
また、スキレットはIHヒーターでも使えるので、自宅キッチンでも活躍していただいております。
バウルーのホットサンドメーカー
続いてはこれ。キャンプの必需品で、みんな大好きバウルーのサンドイッチトースター。
僕が買ったのはシングルですが、トーストを挟んで焼くと真ん中に切れ目が入るタイプのダブルもあります。どちらにするかはお好みですが、調理できるのはトーストだけではないということを考えるとシングルでいいと僕は思います。
今年はコロナ禍の影響でおうちキャンプが流行り、「ホットサンドメーカー飯」がSNSトレンド大賞になりましたので、この辺りはもはや説明不要かと思います。
肉まんを焼いたりするのが有名ですが、僕は冷凍餃子があまりにも作りやすくて専用機みたいになっちゃってます。ある意味もったいない。
もしまだ迷っている人がいたら間違いなくこれは買いです。早速ポチって、せっせと餃子を量産してください。
バウルー公式にかなりバリエーションに富んだホットサンドレシピが掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、おひとり様用には燕三条キッチン研究所のホットサンドソロなんかもいいですよね。
普段使いとしてもキャンプ用としても、手頃なサイズ感が人気の理由ですね。
パン1枚で作れますから、少食な方にもぴったりですし、小腹がすいてちょっとだけ食べたい時にも重宝します。
人気過ぎてオンラインストアでは予約完売を繰り返しています。
欲しい方は最新情報が掲載される、4w1h公式インスタグラムをフォローしてこまめにチェックしてみてください。
また、公式には取扱店舗情報も掲載されていますので、お近くの店舗に問い合わせてみましょう。意外と在庫があるかも知れませんよ!
DUGの焚き火缶
あれだけ焚き火で失敗しているのに、またその名に「焚き火」を冠するクッカーを購入してしまいました。DUGの焚き火缶3点セットです。
その名のとおり、同形状の縦長アルミ鍋がS、M、Lと3サイズで構成されていて、マトリョーシカの要領で大きさ順に全てが収納できる人気商品です。
これを購入したのには理由があって、それまでソロでしか行ってなかったキャンプでしたが、家族が興味を持ち始めてファミリーキャンプ計画が持ち上がったからです。
人数が増えると手持ちのソロ用じゃなく、ある程度の大きさのクッカーが必要になってきますからね。それで選んだこの焚き火缶ですが、これがまた優秀で、
- 焚き火でもガスでもアルストでも、熱源問わず気軽に使える。
- 大中小3つのサイズがあって、それらをひとまとめにして収納可能。
- それぞれのフタが、取り皿やフライパンにもなる。
- SとM2つ、もしくは MとL2つの組み合わせも選べる。
- とにかく安い。
というメリットがあって、キャンプにおいてクッカーに求める諸条件を網羅しています。クッカーを何にすればいいか迷っているとすれば、最初にこれを買うのは十分ありです。基本スペックは以下のとおり。
S | M | L | |
---|---|---|---|
本体 | 103H×Φ127mm | 110H×Φ153mm | 122H×Φ180mm |
本体容量 | 1,160ml | 1,880ml | 2,960ml |
本体重量 | 117g | 150g | 203g |
フタ | 51H×Φ122mm | 47H×Φ146mm | 48H×Φ175mm |
フタ容量 | 440ml | 620ml | 980ml |
フタ重量 | 71g | 78g | 104g |
総重量は722gで、収納用のナイロン袋も付属します。
デメリットとしては、ひとまとめにして収納といっても最も大きいLサイズはそこそこでかいということと、蓋の取手が下向きに付いているので、まっすぐ置けないところですかね。詳しくは下の写真を参照してください。
ちなみに各サイズとも、ストームクッカーに乗せて使えます。SとMは五徳を下げた状態で、Lサイズは上げた状態で置けます。Mサイズは大きさが微妙で五徳の上に乗せるというより、ストームクッカー本体にスポッとはめている状態になります。
ストームクッカーのソースパンのフタは別売りなので、僕みたいに先に焚き火缶買っちゃってる人はこういう使い方もありです。
とりあえずデメリットも挙げてみましたが致命的な欠点になるような部分ではないので、まずはこれを買って、自分に本当に必要な持ち物を選別するための指標や、サイズ感の参考にしてみるのも良いかと思います。
そしてストームクッカーへ
いかがでしたでしょうか?僕はこういった経緯を経て、最終的にストームクッカーをメインに選択しました。僕のキャンプスタイルでは小さすぎる、重すぎる、手入れが面倒、使いづらいなどなど、今まで使ってきた全てのクッカーの不満点を絶妙に解消してくれています。
もちろん全ての人がストームクッカーで満足できるとは言いませんし、僕も絶対にこれ一つだけしか持って行かないというわけではありません。でも確実に今の僕のメインはストームクッカーですし、人数やスタイルによってはこれひとつで済む場合も多い万能型である事は確かです。
必要なもの全てが1つにまとまっているので、準備の際にあれこれ探し物をしたり、何を持っていくか悩むこともなくなりました。
ストームクッカーという基本の万能クッカーがあって、プラス今回はハンバーグをじっくり焼きたいからスキレット持っていこう、という感じになりましたね。
そして、アルコールストーブを熱源とするという一手間。
これがまたいいんです。火加減の調節なんかはガスの方が簡単でいいに決まってますが、極限まで効率を求めてしまうと、あえて不自由を楽しむというキャンプの醍醐味の一つが損なわれてしまいます。
たったこれだけのことで道具を使う満足感が得られますし、アルコールストーブの静かでありながら強く燃える炎で、ゆっくり流れる時間を穏やかに、且つある程度の効率を求めながらバランスよく過ごすことができます。
キャンプ道具を選んでいると「これひとつあればなんでも」というのは難しく、あれこれ迷いながら気づかないうちに沼にハマっていくものです。
しかし、ストームクッカーを展開すると、そのスタッキングの中にはきっと多くの方にとっての「これでいいかも!」が入っています。
というわけで何度も推しますが、ストームクッカーはかなりおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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