一応ことわっておきますと、自身は転売ヤーではありませんScarabですみなさんこんばんは。
世間の嫌われ者、転売ヤーについての僕個人の考え方をこの間書きました。
そんな僕は転売肯定派。
なぜなら。。。という僕個人の見解については、関連記事を読んでみてください。
今回は、「実際僕は転売ヤーからどんなキャンプ用品をいくらで買ったのか」を具体的に書いていこうかと思ってます。
まぁタイトルどおりのテントなんですけど、これがまた良い買い物だったんですよ!
それからおまけにもう一つ、「転売ヤーを撲滅できるのか?」という事について、様々な事例を交えてお話しします。
親の仇みたいに憎悪の炎を燃やし、転売ヤーの息の根を止めたいと切に願っている方も、とりあえずは読んでみてください。
それでは下の目次より、お好きなところからどうぞ。
A&Fかメルカリか。どっちで買っても同じ金額だった件
僕は2020年の8月にサバティカルのギリアをメルカリで購入しました。
転売ヤーが悪であるかどうかはさておき、購入には合理的な理由があったのです。
同年5月に1回目の緊急事態宣言が解除されました。
それからある程度時間が経過した事もあり、「オンライン抽選販売→着払いで発送」という感染症対策を考慮した販売形態も解除されました。
そうです、コロナがひとまず落ち着いたところで、「オンライン抽選販売→実店舗で支払い→実店舗で受け取り(※もしくは着払いで発送)」という転売対策措置が講じられた従来の販売形態に戻っていたあの時期です。
この販売形態は、実店舗が近隣に存在しない僻地に居住している僕の様な消費者にはかなり不利です。
当たり前ですがこのとおり、余計なコストが発生しちゃいますからね。
では具体的にどれだけ違うのか、比較してみましょう。
実店舗までの移動コストがネックに
下にある表のとおり、実店舗では定価販売なので、メルカリで転売ヤーから買うより本体価格が安いのは当然ですが、結構な移動コストが発生します。
A&F | メルカリ | |
---|---|---|
ギリア本体価格 | 43,780 | 60,500 |
高速料金 | 11,440 | 0 |
ガソリン代 | 5,200 | 0 |
送料 | 800 | 0 |
合計 | ¥61,220 | ¥60,500 |
僕の住まいから最寄りのA&F店舗まで距離にして往復およそ520km、行って戻るだけでも所要時間は約7時間。
高速料金は往復11,440円。
当時のガソリン単価は覚えていませんが、仮に150円/Lとします。
燃費はイマイチな愛車の高速走行における燃費=15km/Lとして計算すると、ガソリン代は5,200円。
商品を受け取るためだけにもう一度店舗に赴くつもりはないので、自宅まで配送してもらうと送料として800円。
当時のギリア販売価格は43,780円(税込)でしたから、これに先ほどの経費全てを足すと、合計で61,220円になります。
一方メルカリでは
対して、当時メルカリで転売されていた新品未開封未使用品の最安値は60,500円。こちらは直ちにオンラインで決済完了すれば、2〜3日で商品が手元に届きます。
こちらの方が安くて、しかも早いじゃないか!
移動に伴うコストや事故や感染症のリスクも皆無である上に、来週のキャンプにも間に合う。
万が一初期不良であった場合、正規ルートでの購入品ではないため保証が受けられないというデメリットも存在しますが、確率としてはかなり低いでしょう。
実際届いた商品にはなんの問題もありませんでした。
この事実に気づいたときは抽選の結果待ちをしている最中でしたが、当たると面倒なので、頼むから外れてくれと祈ったのを覚えています。
祈りが通じて、その後無事に落選しました。
転売ヤー側の利益はどうか?
メルカリの手数料は、販売額の10%なので6,050円。送料は出品者負担で1,300円。
僕に対する販売額60,500円から上記の経費と商品定価を引くと、この取引での出品者の売却益は9,370円です。
これは個人の主観になりますので個々人によって受け止め方は異なると思いますが、僕はこの出品者が、「アンフェアな手段で商品を入手し、それを法外な値段で独占販売する事で市場を崩壊させている」とは感じませんでした。
入手経路が不明なのでアンフェアではないかどうか分からないだろう?という意見はさておき、少なくとも金額的には良い条件であると思い、購入を決意した次第です。
最初から転売ヤーがいなければ普通に買えてるよね?
そもそも転売ヤーがいるせいで、「実店舗に来てもらって本人確認をする」という面倒な販売形態になっているわけであって、買う側も含め転売に加担する人さえ居なければみんな安く買えますよね?という事になるでしょうか?
なるでしょうね。
みんなが転売屋が提示する価格に納得せず、いつまでも待てれば。
しかし僕は、仮に先に書いた様な移動コストの件が無くても、正規ルートで入手できなければ、結局転売ヤーから買っていたと思います。
メーカーが設定した定価はそもそも安すぎで、6万円台が適正価格だと思うからです。
いつ当たるか分からない抽選を待てる人は待てばいいのですが、どうしても待てない短気な僕みたいな人にとって、転売ヤーの存在は、まさに渡りに船です。
誰も加担しなければ、などという「たられば」の話は現実には起こっていない仮定の話であって、現実世界には転売する人も、それを買う人も常に一定数存在します。
僕はこの「一定数存在」というバランスさえ崩れなければ、むしろ経済がうまく回っていいんじゃないの?というスタンスです。
一方で、世の中には「転売ヤー断固許すまじ」の旗を掲げ、必死の抵抗を行うレジスタンスも存在します。
転売ヤー撲滅は可能か?
商品を結託して買い占める行為は「カルテルの亜種である」と経済学者の先生がおっしゃっていましたし、また、自動購入BOTを使用した買い占め行為については米国で一部規制されています。
これら、アンフェアで違法性が高い物に関しては、今後国内でも規制が強化されていくでしょう。
その他の違法性が無いものは法で規制する必要が無いわけですが、メーカーや小売店はCSR(※注)を果たす為の取り組みの一環として、これについて無責任ではいられません。
Corporate Social Responsibilityの略。「企業は単に利益追求だけではなく、倫理的な観点からの社会貢献を行うべきである」という企業の社会的責任のこと。
ただ商品が売れて儲かればそれで良いという事ではなく、消費者への配慮として、皆が納得する、公平な購買環境を用意する事もまた、企業の社会的責任というものです。
特に販売時に混乱を招くと、エンドユーザーと直接対面する小売店が攻撃の対象になっちゃいますからね。
ですから、自己使用以外での購入は控えるよう促し、抽選販売や支払い時は来店を必須にするなど、容易に転売が行われない様にあれこれと策を講じます。
転売、ダメ!絶対!
家電量販店のノジマは「PS5の購入者には箱に名前を書いてもらいます。」なんて事までしてましたね。
外箱とはいえ商品への記名の強要は、「君はどれだけ本気でこれがほしいんだい?」と小売店が踏み絵で購入者を試すみたいなもので、本気度をはかるアプローチが転売屋とちょっと違うだけ、という解釈ができなくもない気もしちゃいますけどね。
一部消費者の反感を買いかねない過激なまでの対策でしたが、結局は「箱に落書きがありますけど気にしないでください。」と一筆添えて転売されていました。
転売抑止に効果があったのかどうかは疑問ですが、「わたしたちは転売は絶対許しません!」という企業側の強い正義感を示すプロモーションにはなったと思います。
いっそ全てオークション販売にしたらどうか?
では、全ての消費者に公平かつ、転売屋にもリスクを求める方法として、転売屋が湧きそうな商品は全てオークション販売にするのはどうでしょうか?
最初からオークション販売にすれば、「一度転売屋の手に渡る」というプロセスを省いて、本当に欲しい人=より多くのお金を出せる人の元に商品が届くわけです。
ある意味ものすごく公平に見えますが、「本当に欲しい人=より多くのお金を出せる人」と売る側が定義する事は出来ないでしょうね。
消費者の反感を買いますし、それこそ利益追求のみに重きを置いている姿勢が、先ほどのCSRというものに反しますからね。
受注生産にするとこんなトラブルが…
熱心なファンは時間が掛かっても待っててくれるんだから、いっそ受注生産にすれば解決じゃないの?僕もそう思って、どこかの記事に書いていたような気がします。
しかし受注生産の危うさについては、どこかで聞きかじった覚えがあります。
それはこんな内容でした。
まず、売るべき商品の現物が手元にある事が商売の基本です。
受注生産や予約販売の様に、今現在手元に無い商品を取り扱う事に、どのような懸念があるのか?
例えば商品サンプルを少量作って消費者に見せ、「これと同じ物を予約販売しまーす!」と告知したとします。
なんていうトラブルが起こるかもしれません。
いや、かもしれませんでは無く、実際に起こっています。
有名どころは、この2件ですかね。
名探偵コナンのスノードーム
その他にも、東京リベンジャーズの無敵のマイキーとか、進撃の巨人のリヴァイ兵長とか。フィギュア関連は枚挙にいとまがありません。
例に挙げたものは全て笑えないクオリティでしたが、アニメのキャラクターフィギュアは、そのニッチな市場に反比例したファンの思い入れの強さが、より騒動を大きくするのでしょう。
SNSの普及で、消費者が泣き寝入りする事なく、声を上げられる環境も整ってますからね。
バードカフェの「スカスカおせち騒動」
こちらの場合は、予定していた数量が早々に売り切れた事に気を良くした販売者が、欲を出して追加受注を受け付けた事が原因の様です。
このように、大量生産に起因する品質低下や、受注量の見誤りが原因でいずれの場合もサンプルどおりのクオリティを担保できず、返金騒動に発展しています。
手元に商品が無いまま販売を開始する事がいかに恐ろしい事か、ご理解いただけたと思います。
こうしたトラブルを避けるため、安直に商品が無い状態での販売=受注生産や予約販売は行えないのではないのでしょうか?
この辺に関してもっと詳しい方いらっしゃいましたら、是非教えてください。
やっぱり大量生産するしかない!
唯一の解決策で、これができれば何の問題もありませんが、このお先真っ暗な経済状況下では、企業も消費者も基礎体力が無さすぎて無理ゲー。
それに、商品が一点一点手作りであったり、そもそも大量生産できない物もありますよね。
希少価値の高い物になればなるほど狙われやすい傾向にあるので、やっぱり転売ヤーが湧いて出てくる隙を全て塞ぐっていうのは現実味が無いんですよね〜。
まとめ
結局のところ、大量生産して品薄状態を解消するか、法規制して転売を厳しく取り締まる以外に、悲願の転売ヤー撲滅はできないでしょう。
冒頭でお話したような買い占めなどの市場を破壊しかねない行為は、いずれ規制されていくのだとは思います。
しかしその他の事例に関しては違法性が無く、何をもって取り締まるのか根拠に乏しいので、やっぱり転売ヤーは居なくならないのです。
どうせ排除できないのなら、彼らを上手く利用して共存すべきと僕は考えます。
肯定派と否定派。対になる勢力が常時衝突しながらも、絶妙に一定のバランスを保っている様。
それが理想形であり、この世の常です。
ですから、どうしても手に入らない物は、諦める前に転売ヤーからというのも選択肢の一つとしてアリだと思います。
ん〜それでも怒りの炎が消えず、どうしても納得いかなかったら。。。
僕のブログでは今後、これが買えないなら、あれもいいよ!みたいな代替提案記事も書いていくつもりですので、より良いギアを一緒に探していきましょう!
収拾がつかず、無理やりまとめてみました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それではまた次の記事でお会いしましょう!
コメント
損得は置いといて、精神論()って感じはしますが昨今のキャンプなんてマナーやルールでガチガチになりつつあるしギアの良し悪しよりもキャンプをやる「人」そのものに重きを置く必要があるという風潮ですよね。
当たり前ではありますがゴミを持ち帰る、環境に配慮する、夜は騒がない、消灯時間はまもる等のルールを守る善良でより高い倫理観を我々キャンパーは問われています。
直接的なキャンプの倫理には当てはまらないかもしれませんが一般的に悪しき存在と位置付けられている転売ヤーを容認して彼らに利益を与えるという行為は果たしてキャンパーとして胸を張れる事でしょうか?
・映画「ウォール街」より、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーのセリフ
「強欲は善だ」
・岩明均作品「寄生獣」23話より、寄生生物ミギーのセリフ
「わたしは恥ずかしげもなく“地球のために”と言う人間がきらいだ…なぜなら地球ははじめから泣きも笑いもしないからな。なにしろ地球で最初の生命体は煮えた硫化水素の中で生まれたんだそうだ」
私は、架空のキャラが放つこの様なセリフが腑に落ちる人間です。
転売品のテントを使うことに後ろめたさなど露ほども感じず、キャンパーに一般人のそれより高い倫理観を持つことも求めません。
しかしそんな私でも、公共の場に平然とゴミをポイ捨てして帰るような輩には、人並み以上の嫌悪感を抱いています。
転売反対という考えやお気持ちは理解致しましたが、ここでは、エコノミーとエコロジーは別問題です。
また、「〇〇という風潮です」であるとか、「一般的には〇〇です」などと主語を大衆化した上で、迂闊に反論すると人格を疑われかねないモラルの問題にすり替えて糾弾する事には意味が無いと思っています。
誰が何と言おうが明確な法律違反であるポイ捨てとは違い、転売はケースによって特に問題視するほどでも無いものと、悪質で法に触れるものが混在しています。
ですから行為そのものでは無く、その行為にはどのような不都合があり、それによって誰がどの様な不利益を被るのかを考える事で、ケースごとに善悪を判断する必要があると私は考えております。